2017年11月7日火曜日

悪質商法に気をつけて

市川市のサイトには、「さまざまな『悪質商法』について」というページがあります。
悪質商法がしっかりと説明されているので、ぜひ参照してください。
とてもいいページです。

ネズミ講もマルチ商法も、思想教育のベールをかぶっているケースが少なくありません。
「助け合い」「思いやり」「やりがい」「生きがい」など道徳的な言葉を商品販売と絡ませているだけでなく、神道や仏教の理念から商品を販売するのに都合のよい部分を抽出させて「ありがたい」感を演出している場合もあります。
「人間は自分が意味付けした世界を生きている」などといった心理学も、一部だけを取り出してマルチ商法に利用されています。

私の経験では、マルチ商法の代表者が、二宮尊徳の言葉をさも自分が思いついたかのごとくセミナーで話しているばかりか、自著にも堂々と書いていたので驚きました。
剽窃は盗み、つまり泥棒と変わりません。

人間関係をベースに勧誘を行うネズミ講とマルチ商法には、「知り合いだから断りにくい」という側面もあります。
ネズミ講やマルチ商法に勧誘してくる人は、「感謝」を忘れない「優しさ」を持った「いい人」であることも珍しくありません。
ですからママ友や職場(上司・部下も含む)、地域活動で勧誘が行われたケースが多々あります。

多くの子どもは大人以上に仲間外れを怖がるので、ネズミ講やマルチ商法に巻き込まれる可能性が高いのではないでしょうか。
過去の事件を知ることで、ネズミ講とマルチ商法について自分なりの考えを子どもたちに持ってほしいものです。


ネズミ講(鼠講、無限連鎖販売取引)

会員をネズミ算式に増やして、利益もネズミ算式に増やすことをうたった金融組織をネズミ講といいます。
新たにネズミ講の会員になった人(子会員)が、勧誘した人(親会員)、勧誘した人を勧誘した人、そしてネズミ講を始めた人(本部、講元)などに金を送ることを次々繰り返して、利益が増えると説明するようです。

ネズミ算とは、和算の一種。
「正月に一組みのネズミが12匹子を生む。毎月それぞれが、また12匹ずつ子を生むとすると、12月にはネズミは何匹になるか」というように、増え続けるネズミの数を数えるような問題を指すそうです。
1月末の時点で一組みのネズミ(オスとメス)2匹+生んだ子ネズミ12匹で14匹。
14匹のカップルなので、カップル数は7組。
7組が12匹の子を生むので、2月末の時点で14匹(1月末のネズミの数)+12匹×7組=98匹
49組が12匹の子を生むので、3月末の時点で98匹+12匹×49組=686匹
343組が12匹の子を生むので、4月末の時点で686匹+12匹×343組=4802匹
12月では276億8257万4402匹になります。



日本の人口は、およそ1億2700万人。
会員を増やそうとしても人口は1億2700万人と限りがあり、ネズミ講は最終的には必ず破綻します。
「無限連鎖講防止法」により、ネズミ講は違法です。

□ネズミ講の特徴
勧誘した親会員や本部に加入金を払って会員になり、それぞれの会員が2人以上の子会員を勧誘することで、会員がネズミ算式に増加していきます。
自分より後に参加した会員から入会金が送られ、会員が増えるほど収入も増えます。
ただし、会員が無限に増加し続けなければ、収入は得られません。
会員がまだ少なく、増加する余地のある時期に加入した会員だけが収入を得られるという仕組みです。

□ネズミ講の事件 天下一家の会・第一相互経済研究所
1967年、内村健一が熊本県甲佐町で「第一相互研究所」という看板を掲げ、当初「親しき友の会」というネズミ講を開始。
「4人の会員を勧誘することにより2080円が102万4000円になる」という触れ込みで会員募集を始めました。
2080円の内、1080円を本部に送金し、残りの1000円は本部が指定した会員に送金するというシステムです。
子会員が4人の孫会員を勧誘すると、6代目に1024人の会員ができます。
6代目の会員から1000円ずつ送金されてくるので、子ども会員は102万4000円が手に入ることになると説明しました。
1972年5月に、内村健一は社団法人「天下一家の会」を設立。
以来、熊本国税庁は天下一家の会への入会金は、内村健一の個人収入でなく、みなし法人としての法人税を課しました。
内村健一は「国が認知したネズミ講」としてPRを開始。
1977年12月に財団法人の認可を抹消されるまで「財団法人天下一家の会」としてPRが続けられました。

1973年3月、熊本地検が内村健一への詐欺罪による起訴を断念。
1973年11月には「宗教法人大観宮」が設立され、以来、さらにネズミ講が拡大しました。

天下一家の会は拡大を続け、1976年には100万人を超える人が参加し、ピークを迎えます。
内村健一の収入は全国高額所得者番付の39位にランクされ、2億7770万円に達しました。

天下一家の会には、「思想普及員」と呼ばれる3000名の勧誘員がいました。
友人、知人の口コミで集められた場所に思想普及員が派遣されました。
思想普及員が新規会員を入会させると、本部に送金される入会金の20%が勧誘手数料として与えられました。
勧誘実績があがれば、順次、昇格しました。
思想普及員になるためには研修を受けるのですが、その内容は「心」「和」「助け合い」の3つ。

天下一家の会は、入会金の一部だけを本部が受け取り、残りの大部分は見知らぬ会員へ送金させました。
そのため、トラブルが発生しても、本部や勧誘員に会員は苦情が言いにくい状態でした。
天下一家の会はトラブルが起こると、いつも以下の文面を苦情元へ送付していました。
「前略、本会は先輩会員に贈与して、入会金を本会に送金する義務を果たして会員となり、 2人の子会員を加入させる権利を有することになります。このルールを守ること が天下一家の会の助け合いの基となっています。このことを充分に知っていただかないと困ることになります。先輩会員への送金はあくまでも贈与です。いろいろの事情で借金までして、贈与されたことに無理があったと思います。加入申し込みをされて会員台帳に記載されますと、名義変更以外は脱会できないことになっています。よって、これはあくまでもルールに基づいた親子会員協力して新会員の勧誘をなされるか、または名義変更の方法をお取りになるかご検討の上、よろしくお願いいたします。」

1978年3月、長野地裁が天下一家の会を民法第90条「公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とす」に抵触するものと判断。
その契約は無効と判決を下しました。
そして被告内村健一に対して、原告被害者520人に2287万円を支払うよう命じました。

1979年、ネズミ講の全面禁止法(「無限連鎖講防止法」)制定。
天下一家の会は停止宣言を出しそのまま消滅。
1980年、内村健一は約1896億円の債務を抱えて破産しました。

マルチ商法(連鎖販売取引、ネットワークビジネス、組織販売、紹介販売、システム販売など)

マルチの語源は、「マルチ・レベル・マーケティング・システム(多段階販売方式)」、「マルチ・レベル・マーケティング・プラン(多段階販売計画)」と呼ばれた商法の名前です。
マルチ商法は、商品の販売や新規加入者の勧誘などを行って、加入者が手数料・報酬を受け取る商取引。
「人と人とのつながり」で販路を広げていきます。

多くの場合、無店舗で、商品を愛用する一般の消費者(商品を売る社員ではない)が加入し、ほかの消費者に直接商品を販売します。
加入者は「ディストリビューター」と呼ばれ、商品流通による手数料(ボーナス、リベート)のほかに、加入者を増やすことで報酬が得られます。
複数の加入者でネットワーク(ディストリビューターネットワーク)を作り、そのネットワークの販売実績などに応じて報酬が払われることもあります。

ネズミ講とは違って、マルチ商法は違法行為ではありません。
クーリングオフや広告、法定書面などの規制を守れば、法的にはまったく問題のない商取引です。

マルチ商法で主に取り扱っている商品は、環境や健康に関するもので、洗剤、鍋、密閉容器、化粧品、健康食品、下着などが挙げられます。
持ち運びがしやすく、在庫を抱えても負担にならないというのが商品の傾向です。
故意である・ないにかかわらず、虚偽の情報を消費者に提供したり、重要な事実やリスクの存在を提供せずに販売・勧誘を行ったりして、トラブルが発生しているようです。

□基本的な組織構造
本部組織 管理部門
  商品開発、受注・発注管理、商品管理、物流管理、ディストリビューターの販売管理・報酬管理を行う
  店舗や人件費などの固定費、口コミを利用しているため広告費が、低く抑えられる
ディストリビューターネットワーク(加入者の販売網)
  商品を使う
  自分が使っている商品を販売する
  顧客に対し「この商品を売らないか」と勧誘する
  販売実績と勧誘数によって、本部組織から報酬が支払われる
  販売方法のノウハウなどを教え合う集会が行われる
  集会では、「夢の実現」「成功」「自己変革(「消極的な自分から積極的な自分に」など)」「生きがい」「思いやり」などをテーマに、互いに励まし合うことが多い
 
□マルチ商法勧誘で多く用いられている文句
 自分の都合に合わせられ、サイドビジネスとして最適である
 行動範囲が広がり、たくさんの仲間ができる
 自分の可能性を試せる
 積極的な人間になれる
 自分自身で築くビジネス 
 いい商品を勧めるから、他人のためになる
 リスクがなく、収入が手に入れられる
 億万長者も夢じゃない

□消費者センターなどに寄せられた苦情の例
 勧誘に際して、「飲みに行こうか」「いい話がある」などと言って、マルチ商法について話さない
 長時間、しつこく勧誘し、契約の意志を明示していないのに契約手続きを進める
 「確実にもうかる」など、誤解を招く情報で勧誘する
 「○○○の洗剤が環境によいので賞を得た」との虚偽の情報を流す
 深夜の電話アポイントや紹介先リストを50人書くようにと言われるなど、勧誘時と違う業務内容を強要される
 報酬や返品のシステムが複雑で、その記述や呼称が誤解を招きやすい
 解約の申し出に対して、不当な解約拒否が行われる


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1年ほど前からでしょうか、市川駅周辺の店の前で高齢の女性が大行列を作っている様子をたびたび見かけます。
店はたいていオープンから数カ月で閉店しています。
そのほか、店の共通点は、以下のとおりです。

○1日に3回ぐらい、セミナーのようなものが店で開かれている
○店内には、大量のパイプ椅子が並べられている
○セミナー開催前に店の前に行列を作っているのは、60代以上と思われる女性ばかり(中年以下の女性、それから男性はいない)
○店のスタッフは4~5人の中年男性で、スーツを着用し、とても愛想よく高齢の女性たちに接している
○「健康」「自然」と書かれた商品(酢など)のポスターが店内に貼られている

数カ月で閉店しては似た店が別の空き店舗でオープンする、というのを繰り返しています。
しかも、こうした店で扱っているのが、マルチ商法の商品とかぶっているのです。
高齢の女性がお友達を誘って、人間関係をベースにネットワークを広げ、結果として大行列ができているのではないかと。

また、会場にパイプ椅子が並んでセミナーの準備は済んでいるのに、寒空の下、わざわざ高齢の女性たちに行列を作らせているのです。
スタッフが「寒いですね」などと言いながら行列の女性たちにお茶を渡していたのですが、どうして早く会場に入れてあげないのでしょうか。
スタッフが親切なパフォーマンスをしたり、待たせることで価値が高いように思わせようとしたりしているのではないでしょうか。

なお、私が勝手に不思議な店だと思っているだけで、店を誹謗愁傷するつもりはまったくありません。



○参考資料
ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E8%AC%9B
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E5%95%86%E6%B3%95




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